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育児の全体像 【その3】 感情との付き合い方

子育ち理論編
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「感情的になってはいけない」
私にはそんな思い込みがありました。
それは、私の母がかなり感情の起伏が激しく、常に顔色を伺うような子どもだったからかもしれません。
だからか、私は特に怒りや悲しみなどどちらかというとネガティブに捉えられる感情の処理の仕方がヘタです。

遠藤さんの講義を受け、そもそも感情には3種類あること、今の自分の状況を識別できることが大切であると学びました。

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Contents

感情3種類

感情=気分・情動・情操
「お母さん、感情的に怒らないで」の真意は「お母さん【気分で】怒らないで下さい」ということ。
逆に【情動】ではしっかりと怒らなければならない。

【気分】で怒るとは

親の内側から出てくるものなので、子に原因がないのに叩いたり、きつい言葉を発したりすること。

児童虐待は気分で怒ること(単にムカムカして当たる)が原因。いわゆるヒステリー状態。
叩かれることに原因(ひとつの物語)がないために、子は自分自身の存在を否定されたと理解し「自分が悪いから叩かれる」「自分さえいなくなればお母さんこんなに怒ったりしないのに」とつぶれていってしまう。

気分が出たら子にとっては危険な「命の場面」となってしまう事、対処法は子から離れるしかない。

「お母さん気分が悪いからちょっと散歩に出かけてくるね」などと伝え、3歳以上であれば数十分の留守番は積極的にさせてみる。

それ以前の幼い子である場合、誰かに預けて気分転換ができることが理想。孤立しない環境を心がけていく事。

【情動】で怒るとは

怒ることに原因(物語)がある。

例えば・・・

台所に入り込み、面白そうと小麦粉に手を突っ込みばら撒いた子に対し母親は「こらーー!!」と怒る。

母親は小麦粉をばら撒いたという「物語」に対して怒る。
本人は傷つくが、「小麦粉をばら撒いた」ことに怒られていて自分を否定されているわけでないので自分はつぶれないで、物語を修正していく。
=小麦粉をばら撒かないようになる。

※「自分がつぶれるか否か」の子の姿のあらわれ

  • 気分で怒った場合:「ごめんなさい、ごめんなさい」と縮こまり、底なしに小さくなっていく。
  • 情動で起こった場合:わー!と泣いて怒った相手に抱きついてくる。怒った怖い母親と優しい母親が同時に存在している。子は優しい母親の方に泣きついてくる。抱きしめて「怒られちゃったね」と優しい母親が慰める。

母親が「こらー!」と気迫をぶつけ情動を出すことによって、子は「わー!」と泣く情動を出せるようになる。

その後母親は原因となった物語を言語化し語り返すことで、子は客観的に見れるようになり、ぶちまけるという行動はとらなくなる。
自分の物語を自分で創ることができないので、語り返すことで物語を作る手伝いをする。

【情操】とは

関心が持続していく事。典型的なものに「将来こうなりたいという夢」がある。

例えば「テレビゲームやりたい。ゲームボーイが欲しい」という子(大体8歳くらい(小2~3)で言い出す。)の発言に対して友だちの影響からの気分で言っているのか?情操(本気)なのか?を確認する作業が絶対に必要!

一時の気分で「やりたい」と言っている(本気ではない)子が、なんとなくやり始めてしまった場合、やりはじめるとのめり込んで止められなくなったりするそうです。

対して本気でやりたいと思っている子は、その気持ちをコントロールできるので本気であれば何を与えよう(テレビゲームやPCでも)が全く問題ないとのこと!。

確認作業の方法(2~3ヶ月かける)

1か月目:子「ゲームボーイ欲しい!」
    親「ゲームボーイ欲しいよね、面白そうだもんね」とマネで返す。共感したフリ。
    これを1か月続ける。

2か月目:子はまだ言い続ける。
    親「本気だな」となれば、調査開始。ゲームボーイとはどんなものか?やってみたりしてどんなものかを把握。

3か月目:一緒に行って探す。
    子も親も予備知識がある状態で購入する。

これはお稽古ごと(習い事)(開始時期は6歳以降がベター)も一緒。
なんとなくの気分で始めた場合、すぐに辞めてしまって親はイライラする羽目になる。
1~2か月言い続けたら(2か月目に調査)、3か月目に見学しに行ってどこに行くか決める。

こうして本気で始めた子は上達するかしないかは才能の問題があるので別として、人生を豊かにするものとして取り組むようになる。

例えばバイオリンは才能そのものがモロにでる楽器。
才能がなくても本気でバイオリンを始めた子はずっと取り組み続け、何かのお礼で弾く。
上手ではなくても気持ちを表現してくれるものになる。

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叱ること・褒めること

説明する(言葉を使う)という観点で「叱る」と「褒める」全く同じこと。
言葉を使うのは父親の役割であるので、母親は叱らないし褒めない存在。

【叱る】
腹を立てながら説明する

【褒める】
感動しながら説明する

情動+言葉を尽くすこと=叱るや褒めること。だと父親に伝える。

体罰は何故よくないかというと、言葉を尽くさないから。

感情の発達過程

0~2歳

気分の時代

2歳~4.5歳

気分+情動の時代
とてもうるさい、耳栓を揃える人がいるくらい。

6歳~9,5歳

気分が完全に落ち着く前段階として、気分全開になる。(大体前歯が抜け始める時期から始まるそう)
「自分がどうかしてしまったのではないか?」と本人がコントロールできないくらいに気分全開になって葛藤する時期がある。

こうしたことを経て、徐々に情操が出始める。(父親の時代の始まり)

13歳以降

気分がグッと落ち着くとともに情操が安定してきて将来の夢を持つ(使命の自覚)ようなる。
泣きたいときはちょっと泣きたいから待っててとワッと泣き、怒るときは人を投げ飛ばさんばかりに激しく起こるが、スッと戻れる。
→自分の感情を自覚でき、コントロールできる。

理性が自分の感性をしっかりと受け止めている状態なので、「感想」を持つことができる。
このように情動がハッキリしている人は「竹を割ったような性格」(後腐れがない・尾を引かない)として人間関係がスムーズになる。

※「感想を書きましょう」で「ない」という子の場合

←感想を書けないのは、情動の変化を理性が受け止められないor情動があまり変化しないか(情動が出せない)情動を出せなければ感想はもてない。

※情動が出なくなると犯罪につながりやすい。(少年犯罪)

 

情動が抑え込まれ、自分自身が訳が分からなくなり気分で爆発してしまう。
 気分と情操を結びつけるのが、情動。
 情動が確立していなければ情操に発展できない。
 情動がしっかり出れば「気分」で怒っているのか「情動」なのかを自覚できるようになる。

              ↓
 

気分に支配されることはなくなる。支配されていることを自覚できるようになる。
 行動をコントロールすることができるようになる。

小学校低学年くらいの子:「この子は何かというとグズグズして・・・」という子は情動になりかけの気分が、情動になりきらずに気分のまま引きずるので、父親が困惑する。
父親は情操的関わりをする役割で、気分を嫌う。
気分を情動に昇華し、情操に引き渡すのが母親の役割。

さいごに

感情を気分・情動・情操の3分類をしただけで、自分がモヤモヤした時の自己分析に大変助けになります。
「こら!」と気迫をぶつけ、情動を出すべきなのか、子から離れた方がいいのか?
それはそこに物語があるかどうか?なんですね。

これだけで、かなりスッキリしました。
以前の私はなんだかモヤモヤから、子の行動が気になり八つ当たり的に厳しく叱っては後で一人反省会していたので(>_<)

そんなことを意識して子に対応していた先日のことです。

Sunの幼稚園の副担任の先生が
「Sunちゃんは一点の曇りもなくまっっっすぐに育ってますねぇ。怒るときはガッと怒り、泣く時はワッとないて後を引かない・・・そんな強さがあります」と言われたのです。
「竹を割ったような性格」に・・・芽生え始めた我が家のたけのこはスクスク育っているようです(*^▽^*)

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