子育ち理論仲間のなかでも、学習場面でどんぐり倶楽部を使う方が増えてきたそうです。
ただ、どんぐりの問題はネット上で安価に手に入りますが、取り組み方が非常に難しいのです。
ただ子どもに「やってみて」と渡して、そうそう簡単にできるものではなく、
多くの場合「わからない~~~」という時期を経なければなりません。
そして「ノーヒント」がまた曲者で(;^_^A
教えられたらどんなに楽か!
「ここはこうでしょ?」と言いたくなる自分と闘わなければなりません。
そして、毎週1度でも子と二人で落ち着いてゆっくりと取り組む時間を確保する、
という週課を確立することも、
下の子がいたりすると、なかなか根気と夫や家族の協力が必要になります。
どこかの教室などに預ける方がずっと取り組みやすいです(;^ω^)
始めるには、それなりの覚悟とリサーチが必要になります。
ただ、「どんぐり倶楽部」の問題をやらなければ思考力は伸びないか、
と言われたら絶対にそんなことはありません。
Contents
「分かること」と「考えること」とは?
そもそも「分かる」とはどういうことでしょうか?
森鴎外や夏目漱石、島崎藤村などの純文学は難しいと感じるのか?
例えば森鴎外の「舞姫」の序文がこちら。
石炭をば早や積み果てつ。
中等室の卓のほとりはいと静にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒なり。
今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余一人のみなれば。
聞きなれない言葉の連続で、頭の中にパッとイメージ化できないですよね。
なので、ストーリーを追えないのです。
漫画がなぜ読みやすいのかは、わかりますね。
もうそこにイメージが絵として描かれているので、自分で再現するエネルギーが省けるからです。
「分かる」とは頭のなかに絵が見えること、なんですね。
そして、「考える」とはその再現したイメージを、
移動・変形・連想・比較したり操作することです。
今、小5の算数の学習指導補助の仕事をしていますが、
「分からない」と言う子はまず、
「言葉」を正確に再現できずに止まっている状態です。
「1.2mで8.4キログラムの棒があります。
この1mの重さは何キログラムでしょうか」と言われて、
場面がイメージできなかったりします。
そして、算数とは、「計算すること」であるという認識なのです。
「計算」はあくまでも処理する便利な道具でしかないのに、
その計算の答えがあっているかどうかに重きを置いています。
それは「考える」とはどういうことか、を押さえないままに、
計算ドリルを大量反復してきた結果に思えてなりません。
「どんぐり」でなくても
過去にこんなtweetを目にしました。
なぜ、これによって成績がアップしたのか、も詳しく解説されています。
これを読むと「生活場面」のない子たちの言葉を獲得する機会の少なさを感じます。
子育ちでは、言葉とモノを「指示」という場面で積極的につなげています。
玉ねぎを切る、という場面においても、
「皮をむきます。まずは頭のほうか皮をつまんで、下に引っ張って。」
「白くてつるっとした部分まで剥いたら、むき終わりです」
「使うのは半分だけです」
「みじん切りをしていきます。切った面(断面)を下にして。
根っこの方に向けて、包丁の刃先で切り落とさない程度に切り込みをいれます。
繊維に沿って、切れ込みをいれたら横にして。
繊維に対して垂直に、細かく切っていくとみじん切りになります」
などと、細かく指示することによって、多様な言葉を獲得していくことができますね。
なにも「どんぐり」だけが思考力を育む唯一のもの、とは考案者の糸山先生ご自身もおっしゃっていません。
ただ、現代の家電が発達し、
ゲームや電子メディアが深く子ども達の生活に入り込んでしまった今の世の中で、
言葉とイメージをつなげ、オリジナルのイメージをアウトプットし、
操作していくという場面が必要だから作られたのです。
この生活が便利になり過ぎて、考える機会を失っていることは遠藤さんも指摘しています。
だからこその「生活を不便に」なのですね。
「イメージ操作」と言ってもパズルや積み木などだけでは、片手落ちだということです。
あくまでも、言葉と行き来することが大事だということです。
右脳と左脳がバランスよく使われることがポイントなのですね。
我が家のMoon(5才5か月)も、5才になったときから0MXに取り組んでみました。
…ただ0MXでも難しすぎて(;^_^A
どんぐりを始めた当初、彼女が認識できる数は、5までくらい。
5か月かけて、やっと10以上を超えて20までくらいになってきました。
なので、20以上の数が平気で出てくる0MXは難しすぎました。
今Moonが取り組んでいるのは、千葉県で「地頭を鍛える学習教室」という
どんぐり方式の学習塾をやっていらっしゃる金森先生のS7級の問題です。
(販売ページはこちらから。)
金森先生は、どんぐり普及のワークショップも各地で開催されており、
私も愛知に住んでいる時に参加させていただきました。
子育ちでも指示は「言葉」ではなく「体」で伝えることとありますが、
どんぐりでも、大事なのはお母さんが隣で楽しそうにどんぐり問題をやってみせることが大事!と言われています。
子が「今日はやらない」と決めることが続いても、
母親が「お母さんはやるよ~♪」と言って、週課の時間に取り組むことを続けていれば、
いつかは子どもは戻ってきます。
この根気と覚悟が試されるのは、
子育ちの指示出しと日課の安定を意識する部分と共通しますね。
我が子のありのままを受け止めながら、試行錯誤!
楽しみましょうね(*^-^*)
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