※この記事は、2019/7/9の「ママは太陽」のブログから引っ越してきました。
先日ショッピングセンターに買い物に行った時に、幼稚園児くらいの男の子が
うんち~!おっ〇い~!ちん〇ん~!!
と大きな声で言いながら歩いていて、その子のお母さんは
もう!やめなさい!!やめなさいって言ってるでしょ?!
と困っていました(;^ω^)
子どもって好きですよね、下ネタが。
アニメの「クレヨンしんちゃん」がもう31年もの間、
親しまれているのも大人が眉をひそめたくなるような、
子ども達の好きな下ネタがちりばめられている点もあると思います。
子ども達が言いたくても、お母さんに怒られるから・・・と我慢している部分を、
しんちゃんが代弁してくれているのでしょう。
親にとって子どもへの【性教育】って大事だとは思いつつ、
どう扱っていいのか「聖域」のようで困ってしまう分野なのではないでしょうか?
私も自分の受けた性教育を振り返って、すごく戸惑いが大きかったので、我が子にはどうしたらよいか長年悩んできました。
しかし、これが、1冊の本によって救われたのです!!
これはぜひ多くのママさんに伝えねば、と思いましたので紹介させていただきます。
Contents
日本は性産業先進国なのに、性教育後進国
それは「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事」性教育アドバイザー のじまなみさんのこの著書でした。
この本を知ったのは発売前で予約開始を伝えるAmazonの広告だったのですが、
「これこそ探していた~!」と思って迷わず予約。
届いてその晩に読み切り、感動のあまり初めてのレビューを書き込みました。
命の大事な誕生である性の話ですが、なぜ子どもに伝えるのが抵抗があるのか・・・?
それは、「性」=卑猥なもの、いやらしいものという刷り込みや世間の常識みたいなものがあるからです。
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)では性教育開始年齢は5歳と設定されているにも関わらず、日本では依然として「寝た子を起こすな」という風潮で性教育後進国です。
それなのになんと世界のポルノは日本で6割も生産しているという性産業先進国です。
電車の中吊り広告でも刺激的な文言が飛び交っていたり、
なによりスマホの普及で幼い子でも簡単に、
そのような性を商品として扱った情報にアクセスできてしまう時代です。
性とは「生きる」ことの原点でもあるはずなのに、
このような間違った情報が入る前に、親として愛を持って伝えたい・・・
その思いに応えてくれる本でした。
性教育適齢期は3歳~10歳
精神分析学の創始者フロイトによると、
幼児性欲理論(人間の性欲は思春期に初めて発現するのではなく、生後間もなくから存在する。人間の生命の原動力)
に基づいて【心理性的発達理論】という5つの心理発達段階があり、
それと身体の成長とが複雑に関係しあって進んでいくそうです。
【心理性的発達理論】
- 口唇期(満1才頃まで)
→母乳などから栄養を得ることを快感と感じる時期 - 肛門期(2~3才頃)
→おしりからうんちが出ることに達成感を得るため、トイレトレーニングに適する時期 - 男根期(5,6才)
→男の子はおちんちんの存在に気づき、女の子は自分にはないと気づく時期 - 潜在期(学童期)
→幼児性欲はいったん落ち着き、子どもの興味は知的方面に移行する - 性器期(思春期以降)
→初めて性器を中心とした性欲の満足が求められる時期
性欲は人間の種の保存のために備わっている3大欲求【食欲・性欲・睡眠欲】のうちの一つですね。
それをタブー視していては、情報が氾濫しているこの時代、
わからずにモヤモヤ感を抱えている子どもたちは簡単に間違った情報にアクセスしてしまいます。
子どもが自分の体に興味を持つ肛門期~男根期(3~10歳)だからこそ、
お母さんは折に触れて積極的に声がけしていくことで、
子ども達も少しずつ関心を持って聞くようになり、性の話を自然に受け入れてくれるようになっていくそうです。
それでも、幼稚園の頃からなんて早すぎ?
とかやっぱりちょっと自分では言いづらい、もう少し大きくなってからで良いのでは?
と思われる方も多いとは思います。
しかし!ご自身の昔を思い出してみてください。
小学校高学年から中学時代って一番親が疎ましい存在ではなかったです。
私も過去を思い返してみると、
小学校高学年くらいの時期に父親から「ムンメル」という写真絵本を受け取りました。
ムンメルという女性が結婚し、
赤ちゃんを授かっていく過程を落ち着いたモノクロの写真とともに描いた本です。
我が両親、とくに母親には性的な話はタブーでした。
TVのドラマでキスシーンなどがある程度で空気が凍る、
その雰囲気が嫌で仕方がなかったくらい我が家で性の話は「聖域」でした。
そんな背景もありつつ、
思春期(+反抗期)に入って受け取ったこの本に
「は?ナニコレ。キモっ」っていうそんな反応をしました。
でも氣になるから陰でこっそりと読むんですが(;´・ω・)
思春期まで「寝た子を起こすな」状態にしておくと、
もう親からは素直に受け取れなくなってしまっているんです。
私にとって、苦い思い出がある性教育のスタートでしたから、
3才から性教育が始まる、というのには納得でした。
スモールステップで性教育を
のじまさんは「性教育とは一歩一歩階段を上がって行くことが鉄則。
「早足で行くと、子ども達に与えてあげられない知識が出てきてしまう」とおっしゃいます。
私たちの一番の悩みどころであり、
到達目標の「子どもと命の誕生である行為の話をする」まで行くには
【3つのルール】があり、基礎を固めるところからがスタートになります。
「性=恥ずかしいもの」という概念を取り払う
性産業のイメージによって、外から植え付けられたもの。
子どもが性に求めているのは「命の誕生」「愛情」「身を守る」これだけ!
恥は捨てること。性器の名前を元気に言う
恥ずかしいものではない、という認識を持ってサラッと言えるようにする。
この本を読むまで私は女性器を「おまた」と表現していましたが、股は男性にもあるので「おまんちゃん」と呼ぼうと娘たちと決めました。生理・精通の仕組みを理解する。
この仕組みの説明抜きに子どもに命のスタートの話はできません。
精子が、卵子が・・・と難しいことばを使うのではなく、登場人物に変えてストーリー仕立てにして伝えていけるようになるまで理解すること。
(著書のなかで解説されています)
こうして親側の心理的ブロックを外し、
子どもとごく当たり前に性の話をできる土壌を作っていくことが
大事であることを学びました。
「プライベートゾーン」=「水着ゾーン」からはじめる
性教育を進める中で「体には人に見せても、触らせてもいけない自分だけの大切な場所がある」と捉えることが大前提になります。
これは命の性教育、愛の性教育、防犯の性教育をする時にも外せないポイントになるからです。
特に薄着になって夏休み前のウキウキしたこの時期は防犯の性教育はとっても大事!!
プライベートゾーンという、
大人にとってはわかりやすいこの言葉ですが、
子どもにとってはイメージしずらい言葉です。
そこでのじまさんからの提案は【水着ゾーン】という言葉です。
他人に見せても、触らせてもいけない、自分だけの大切な場所
「口」と「水着を着て隠れる場所」のこと
男の子も女の子も、口・胸(男の子は水着で隠れませんが大事!)・性器・おしり
→あなたの水着ゾーンを見たがったり、触りたがったりする人は危険な人。大声を出して逃げなければいけないこと。
水着ゾーンを無理やり見せたり、触らせようとする人は危険な人。大声を出して逃げなければいけないこと。
怖い目にあったら逃げるのよ、
といくら伝えても「怖い目」とはどういうことなのか知らなければ
逃げようもありません。
子どもが想像するような、「犯人」とは
サングラスをかけていたりテレビに出てくるヤクザっぽい恰好の人。
しかし、実際の「犯人」はそんな恰好はしていません。
スーツを着ていたり、一見ちゃんとした身なりの人という場合の方が圧倒的に多いのです。
すると、自分の身が危険にさらされている「基準」がわからないのです。
ですから、徹底して水着ゾーンに関することで近づいてくる人からは「大声で逃げる」を伝えていくことが必要なのです。
そして、大声を出す意味は周りの人に危険を知らせる、
ということのみではなく、「性犯罪者は意志の弱い子を狙う」ということが分かっています。
ですからはっきりと「やめてください!」「いや!」を言って逃げることが非常に大事なポイントになります。
そして、危険な人に会ってしまったら、必ず親など大人に伝えること。
ママは子どもから伝えられたら「怖かったよね」と抱きしめ、改めて水着ゾーンが大切なことを話し、危機意識を高めていきましょう。
水着ゾーンは他人に見せても触らせてもいけない、
自分の場所であることはお友達にとっても同じ。
これを徹底して伝えて行くと、
お友達のおちんちんを蹴ったり、
女の子にスカートめくりをするなど行き過ぎた遊びをやめさせることができます。
「お友達の水着ゾーンだね。触ってはいけなかったね」と、
遊びのボーダーラインを水着ゾーンを使ってしっかりと線引きしていきましょう。
水着ゾーンは大切な場所で、
決して恥ずかしい場所ではないけれど、
水着ゾーンに関わる話を見たり聞いたりすることを「イヤ」と感じる人もいる。
人の気持ちを考えずに見せたり話したりするのは思いやりにかける行動である、ということをしっかり伝えていく必要があります。
特に男の子は、「注目されたい!」というヒーロー願望が強かったりして、
冒頭の子のように下ネタワードを連呼したり、クレヨンしんちゃんのようにお尻を出したりして喜んでしまったりします。
家庭のなかでは楽しんで下ネタワードから性教育につなげて語り合うきっかけになりますが、
楽しんだあとは「この話は水着ゾーンの話だよね。外でしてもよかったかな?」と釘をさしておくことも必要になります。
外で、水着ゾーンに関わる話をしたり、見せたりしないことは防犯の性教育にもつながります。
女の子が露出の高い服を着たり、無防備に着替えたり、
スカートなのに大股開きで座ったりすることは
「水着ゾーンが見えてしまうよ」と声がけすることで、
身を守ることにもつながります。
そしてこのことを徹底しておくと、
早くから性教育をすることで周りに言いふらすのでは・・・?
という懸念もなくなります。
「水着ゾーンの話を聞くとイヤな気持ちになる人もいるから、わからないことがあったらママに聞いてね」と約束していきましょう。
4才くらいになってきてトイレトレーニングも進んできたら、
パンツの上げ下げを手伝う程度にして性器には触らない、という意識が大事になります。
こうすることで「ママさえ触らない、自分だけの大切な場所」という意識が高まります。
うんちの仕上げ拭きをする時は「うんちなので、水着ゾーン失礼します」と断って拭くこともポイントになります。
我が家の水着ゾーン導入の例
私はこの本を読んでから、「水着ゾーン」の話を導入したくてウズウズしていました。
そして、ある日のお風呂の時にようやくチャンス到来!したのです。
Sun(小1)、Moon(年少)、Ocean(0歳8か月頃)の冬の日でした。
今日さ~、学校で〇〇くんがお尻出して遊んでたんだよ~
お尻出して遊んでたの?!Sunはどう思った?
イヤな気持ちだった。
イヤな気持ちだったんだねぇ。今からお母さん、大事な話をするね。
SunとMoon、まだ0歳で言葉は通じないけれどOceanにむけて水着ゾーンの話をすることにしました。
人にはね、みんな自分だけの大切な場所があるの。どこかわかる?
命!
命は一番大事だねぇ。その命を守るための場所だよ。ヒントは、水着を着て隠れるところ。
おっぱい~!
おしりとおまた!
大正解!おっぱいとおしりとおまただね。
おまたっていうのは、おちんちんのついている場所で男の子もあるんだ。
女の子はおちんちんないね。
うん!、女の子はおちんちんじゃなくて、お花みたいになってるよ。
確かに、お花みたいだ。おちんちん、みたいに可愛い名前があるといいね。おまんちゃんってどう?
うふふ♪可愛いね。
女の子だったらこのおまんちゃん、男の子はおちんちん、おしりとおっぱい。男の子は水着で隠れないけど大事なの。あと、口ね、これが水着ゾーンって言って自分だけの大切な場所。
ここは、人に見せたり触らせたりしてはいけない場所なんだ。見ようとしたり、触ろうとしたりしてきたらそれは怖い人だから、大きな声を出して逃げるんだよ。
あと、Sunが嫌だなって思ったように、外で水着ゾーンを見せたり話したりするのはやめようね。
こんな風にお風呂タイムで話しました。
この後は、折にふれて「水着ゾーン」に話を日常会話でしています。
子育ち理論的に言えば、母親は「教えない」存在です。
外から子どもが得てきた知識を「こんなこと習ったよ」とアウトプットする位置にいるのが母親です。
でも、性教育については外から正しい情報が入ってくることはまず望めません。
ですから、3才からその時々の疑問に応じて、子の反応を見ながら少しずつ性の話をしていきたいと思っています。
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