私自身は小学校の2年生くらいから算数に苦手意識を持ち始め、
もうやり方(公式)を丸暗記するしかない!とパターン学習に走り、
勉強が苦しくなる典型的なやり方で育ってきてしまっていました。
しかし、先日のいずみ先生からの添削でお話をいただいて、
だからどんぐりっ子は勉強そのものに面白さを感じていくのか!!
と感じましたのでシェアいたします。
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3MX06
今週Sun(9歳6か月:どんぐり歴5年目)がとりくんだのはこちらの問題。
メエメエさんが、メソメソ君に同じ値段のお菓子を2個と、そのお菓子1個の
丁度3倍の値段のするアイスクリーム1個を買ってあげます。皆で400円だそう
です。ではお菓子1個の値段とアイスクリーム1個の値段を考えてみましょう。
お菓子は2個、アイスクリームはお菓子の3倍の値段・・・。
お菓子2つとアイスクリームで400円。
調べなきゃいけないのは、お菓子一つ分の値段で、
5個分で400円になる・・・。
これをどう分けたらぴったり400円になるのか、
50円だと250円で150円余っちゃう。
そのあまった150円をどう分けるか?
絵を動かしながら試行錯誤を重ねて導きました。
いずみ先生から
最初から模範的な絵が描けていて、おお!って思いましたよ。
それから当てに可愛かったです。
うちの教室の子たちもこれをします。
少しずつ金額を調整して、当てに行くんですよね。
うっふふ~って笑いながら添削します。
そして、あまりにも最初の絵がよく描けているので、
これを見ればわかるよ、という落書きをしました。
もう、1個80円というのが見えるはずです。
いつか、似たような問題を解くときに、
これを忘れてしまっていてもいいので、1度だけ、添削を見せておくといいかもしれません。
5つ分で割り算を使わないのは・・・?
パターン学習が染みついてしまっている私としては、
全部で400円、そのなかに5つ分あるのだから
「400÷5」
をなぜしないのだろう?ということが疑問でした。
Sunが解いている最中に
「アイスはお菓子の3つ分だから3回足さなきゃ」とも言っていました。
ここでも×3をした方が早いのに?とも思ってしまったんです。
学校では3年生の学習内容は終了し、
乗法や除法も分かっているはずなのに、
使わないのは理解しきっていないの?という疑問があり聞いてみました。
かけ算やわり算という手段を使うことを目標にするわけではないんです。
目に見えて、この図は同じものが集まって400円になっているということがわかる。
それを「あ、÷5で求められる!」と気づいてほしいわけではなくて、
その前の段階がとても重要なのです。
それって、たぶん、名もなき手段なのだと思うんですけど、
同じの5つ、っていったら、×5だっていいわけなんです。
同じ+同じ+同じ+同じ+同じだっていいわけなんです。
5つ積み重なって400になる、っていう状態を、思い描けたら、
それは、かけ算かもしれないし、割り算かもしれません。
500円なら100円が5個だから、400円っていうと、1個が100円より少ないんだなあ、
90円だったらどうだろう?とか、検証を始める子もいます。
割り算か、かけ算か、足し算か…私にとっては、どちらでもないような感覚です。
まずは、こんな風に「当てに行く」方法を何度も何度もするんです。
そのうちに、面倒になって…というと言葉が悪いんですけど、
自分で方法を見つけ出すんですよ。
これが、どんぐりの進化、そして、醍醐味です。
自分で見つけると、一生使うんです。
教わった、誰かが考えた方法ではなく、自分で思いつくのですから
それが、学校で習った割り算と同じようなものだとしても、
学校で習ったときにはピンとこなかったものが、
自分で思いついたときにはピンときて、
それから、そういえば、そんなのあったなあ、って気づくんです。
習うことが、ひとつずつ証明されていくような、そんな感じです。
いろいろな手段を試すことを、楽しんで見守ってくださいね。
自ら育つということ
いずみ先生のお話を伺い、あまりに自分の思考パターンと
かけ離れていたために分かっていなかったことを知りました。
Sunには「先生がね、「とっても良い絵ですね」だって♪」と
先生からの添削を見せました。
そうそう、このねアイスの3倍のところの絵にはこだわったんだよ。
前はさ、3倍のときに〇を3個書いちゃったけど、
それだともとにするのが〇ってことになって、
お菓子じゃなくなっちゃうじゃん?
だからアイスはお菓子の3つ分だから、ちゃんとお菓子を描いたんだよ。
実は、この問題は2MX56と番号違いの同じ問題です。
半年前の夏休みにやりましたが、
たしかにアイスはお菓子の3つ分を〇〇〇と描いていました。
5年生の学習内容の山場である「割合」
ここでは、文章を読めずに「もとにする量」が何に当たるのか理解できない子も多いです。
しかし、Sunの言った「もとにするのは、〇ではなくてお菓子だから」
と言ったことは、絵図に考えることの大切さを思い知らされたのです。
いずみ先生は、
「原理を知らないと勉強は途中で必ず苦しくなります。
わけもわからないまま覚えるしかない、っていう勉強法に走るしかない時が来ます。
原理を知ると、学ぶ喜びは倍増します。
楽しくて仕方ないはずなんです。
だから、同じ道を歩いていても、一方は学び続けていて、
一方は何も得ていない、という状況が生じます。
同じ学校の授業を受けていても、同じことが起こります。
子どもの進化を通して、大人も多くを学びます」とおっしゃいました。
私は中学に入ったころからもう既に苦しくなってきていました。
定期テストでは範囲が決まっているので、公式や解法を必死で覚えます。
でも原理は理解していないから、
実力テストでは散々・・・。
高校に入るともう初期段階で先生の言っていることが宇宙語に聞こえていました。
分からないことが、どこから分からないのかすら分からない(;´Д`)
本当に苦しかった思い出です。
そうか、「加えるや増える」からたし算をつかい、
「減るやなくなる」からひき算つかう…
原理を追究していくってそういう思考ではないんだ、と知りました。
どんな場面においても公式を当てはめるのではなく、
自ら原理をみつけていく。
公式は忘れてしまったら「オワリ」ですもんね。
原理を見つける思考回路を育てる大切さ。
私は、
あぁ、この子達が羨ましい!
試行錯誤できる環境が与えられていることが!!
こう思ってしまいました。
こうして試行錯誤することには、
当然エネルギーを必要とします。
計算ドリルや漢字ドリルなど思考回路作成を害するものを排除し、
TVやゲームなど脳に対して刺激の多すぎるものをコントロールし、
暇を持て余すくらいの自由時間があってこそ、
こういうエネルギーが生まれる。
環境設定8割といわれる理由が分かりますね。
春休みなどの長期休みは日課が安定するので、
とても進化しやすい時期なので、楽しみです。
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