我が家の平日の日課におけるメディアタイムは、
SunとMoonの宿題終了後の30分でした。
春休みになり、その日課がシフトし、
朝食後に身支度を済ませた後の30分という流れになっていきました。
メディアタイムのチャンネル権は1人10分。
3歳10か月のOceanだってしっかり主張します。
現在録画してある番組ラインナップは、
・ノージーのひらめき工房
・はなかっぱ
・忍たま乱太郎
・わしも
・銭天堂
・おしり探偵
・ジブリ作品
(トトロ、もののけ姫、アリエッティ、コクリコ坂、猫の恩返し)
Eテレの番組は10~30分程度のキリのよい番組が多く、
チャンネル権交代もスムーズですが、
ジブリ作品を1時間半から2時間くらいのものもあり、
交代が難しいのです。
なので、ズルズルと視聴時間が伸びて40分見ていることも。
私が「そろそろ終わりじゃない?」と声をかけることもしばしばでした。
そして、見た後はなんだかケンカが多いのでした。
そんな様子が3日続いた日。
私は、子ども達に言いました。
またケンカになっちゃうかぁ。
これはなぜかなぁ・・・。
神妙な面持ちの3人。
こうやってさ、テレビ見た後にケンカになっちゃうこと続いてるよね。
ちょっと見る時間長いかも。これからは一人10分タイマーで計るわ。
そうだねぇ。
人間の脳って、どうしてもメディアに触れた後って
イライラしやすくできてるんだよね。
いつもは夕方に見てたでしょう。
イライラしやすいのは、朝に見るせいかなぁ。
テレビを一切見るなとは言わないけど、
・見る時間を守る工夫
・見るタイミング
・見た後の気持ちについて
3人でどうしたらいいかちょっと話し合って。
ということで、2階の子ども部屋に3人で上がっていきました。
そして10分程経って降りてきた3人。
紙に書かれた約束をみせてくれました。
この約束を決めた次の日。
メディア時間はOceanのお昼寝後のおやつの後にシフトしました。
Oceanはこの日、これまでの日課の流れの通り、
朝食後の身支度をした後に見ようとしました。
しかしSunが
「Ocean、昨日お話したよね。おやつの後だからね」と話してくれました。
しぶしぶながら了承するOcean。
お昼寝前、
おひるねして、おやつたべたら、テレビみられる♡
と言っていました。
メディアとはこれほどまでに、
人の歓心を誘うものなのだなぁと思ったのでした。
そして、お昼寝後のおやつの後、
メディアタイム。
「その4 テレビのあと 自分の気もちを コントロールする」
とありますが、意識を向けているとやはり違うものですね。
この日の夜、
今日はケンカにならなかったねぇ。
やっぱり午後の方がいいのかね。
というと、
朝見ても、ケンカしないから朝見ようよ。
と言います。
うん、朝見ても大丈夫だから!
ということで、次の日から、朝見るパターンに戻りました。
しかし、時間を守ることや、気持ちへの意識が向いていて、
穏やかに過ごせていました。
育てたいのは自制心
メディアが人を惹きつける力が強力なことは既によく知られていることです。
第7章 バカになっていく子どもたち P180~
~前略~
将来もっと大きな「ごほうび」をもらうために、すぐにもらえる「ごほうび」を我慢する能力は非常に重要な能力だ。
実際、それができるかできないかでその子の人生がどうなるかだいたいわかるという。
マシュマロをすぐに1個もらうより2個もらうために15分待てる4歳児は基本的に、数十年後に学歴が高くていい仕事に就いている。
つまり、自制心は人生の早い段階で現れ、将来性にも関わってくるーと解釈できる。しかし報酬を先延ばしにできる力は生まれたときからあるわけでなく、
生活環境の影響を受けるし訓練で伸ばすこともできる。
それでは、デジタルライフは自制心にどのような影響を及ぼすのだろうか。
複数の調査で分かっているのは、よくスマホを使う人の方が衝動的になりやすく、報酬を先延ばしにするのが下手ということだ。
~中略~
報酬を先延ばしにできなければ、上達に時間がかかるようなことを学べなくなる。
クラシック系の楽器を習う生徒の数が著しく減ったのもひとつの兆候だ。
ある音楽教師にその理由を尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。「今の子供は即座に手に入るごほうびに慣れているから、
すぐに上達できないとやめてしまうんです」
3歳10か月であるOceanも、
日課の概念があるために、お昼寝をして、おやつを食べたらテレビがみられる、
という見通しがあるために、
「今テレビをみることは我慢する」ができたのだな、と思いました。
こうして自制心を育てる環境は、日課によって確立できます。
また、「どんぐり問題」も学校の算数文章問題と比較すると、
一見して、解法が分かる仕組みにはなっていません。
勤務校の少人数クラスで、時間内に終わらせるべき問題が全て終わり、
時間が余った場合に提示することも提示しました。
しかし、YouTube視聴が趣味のある子は、
「この問題めんどくさいから、やりたくない」と取り組むことすら拒否。
余った時間はタブレットドリルに取り組んでいました。
著書の音楽の先生のお話とリンクするように、
「すぐに解法がわかる単純な問題」しかやりたがらない。
こんな学習姿勢では、思考力養にならないですよね。
そしてタブレットドリルでは、文章中の数字を公式にあてはめるだけ、
というような表面的な問題しか扱えないことを感じました。
社会に出れば、一見して問題に取り組まなければならないわけです。
それでも、知っていることを総動員して試行錯誤を重ねて、より良い答えを探る・・・
すぐに手に入る報酬(成果)ばかりを追い求め、
入社早々に辞めてしまう若者も多いと聞きます。
「どんぐり問題」ではこのようなことにならないための、
問題に取り組む自制心も育てられているのでは?と考えています。
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