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トラブルに立ち向かう力

Sunの物語
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今から4か月も前、12月半ばのお話です。

Sun(小4)が6時間授業で16時半ころに一人で帰宅。

玄関を開けて「ただいま~」という声が聞こえました。

その声がいつもと少し違うことに気づいた私。

いつもだったら「あ~疲れた~~」とリビングに入ってくるはずなのに、

リビングに入ってきて、やはりいつもと違う様子のSun。

私

どうした~、なんかあった・・・?

そう聞くと、Sunは、カバンも帽子もかぶったまま、

わ~んと泣き崩れました。

私はダイニングの椅子に座り、

泣きじゃくるSunを抱えます。

ダイニングテーブルで宿題をしていたMoon(小1)も、

遊んでいたOcean(3歳)も心配そうに見守ります。

泣き続けること20分程度でしょうか。

私

イヤなことがあった・・・?

と聞く私に、ポツポツと訳を話し始めました。

 

 

昼休みに教室に帰る時に、
友達から靴のかかとを誤って踏まれ、

靴がポーンと脱げてしまったこと。

その時は、拾って履いて教室に戻った。

でもその日の下校時、同じ班の男子2人から

「今日、Sunさんが靴で車を叩いてたんだぜ~」

「うわッ!いっけないんだ~!」

とありもしないデマでからかわれたのだと。

Sunは「私はそんなことしてない!!」と

男子に言い返したけれど、

靴が脱げたことを見られたのも恥ずかしかったし、

人の車を傷つけることなんて絶対にするわけないのに、

そんなことでからかわれて、

深く傷ついたことを話してくれました。

私

Sunが本当に傷ついた気持ちはよく分かったよ。
で、このこと担任の先生に話してもいい?

そう聞くと、

Sun
Sun

今すぐに言うのはやめて。自分で解決するから。

私

分かった。
じゃあ、来週個人懇談があるから、
そこで「こんなことがありました」というのはいい?

そう聞くと「そうして」とのことでした。

それから次の日からしばらくSunは怒りがおさまらず、

その男子たち(クラスは別)のことは無視し続けたのだそうです。

そして個別懇談で担任の先生に話したところ

「Sunさんが自分で解決したい、という気持ちを尊重します。

あと、数日で冬休みにはいりますが、その前には解決したらいいな、と思います。

もし、先生がその子に直接話をした方がよければいつでも言ってください」

と言われました。

このことはSunにも伝えました。

そして2学期終業式数日前、

Sun
Sun

今日さ、あの男子たちに話したよ。
私はあの時すっごく傷ついたから謝ってって。

そしたら、素直にごめんって言ってくれたわ。
もう解決したから大丈夫。

 

そういう彼女は晴れやかな顔をしていました。

 

トラブルがあってから、10日程たった後でした。

その男子たちもきっとからかったことなんて

忘れていたかもしれません。

 

それでも、自分が悲しかったこと、

母親や先生が悲しみの気持ちをしっかりと受け止めたことで、

Sunの中で気持ちを消化できたから、

相手の子に気持ちを伝えられた。

そして、相手が素直に謝ってくれたことで

区切りがつきました。

Contents

坂田信弘氏「叱る力」より

この件で、私は子育ち講座でもらった資料

「叱る力」の抜粋資料を見返しました。

多数のプロゴルファーを育てられた坂田信弘氏の本です。

P69~74

何より確かな事は、なく子供ほど、強くなっていった。

(中略)

 誰だって人前で涙を流すことはカッコいいもんじゃない。

でも、感情が自分の限界を超えたとき、自然と涙が溢れてくる。
(中略)

 私がたったひとつ、ゴルフを通じて胸をはれることがあるとすれば、

その泣きじゃくる子に対しての接し方である。

 その涙を、私はジーッと見ていた。

 一切声はかけなかった。

 ただ傍にいる。

私にできることは、泣き止むまで傍にいてやることだけでした。
泣く子を前にして、誰よりも辛いのは親だ。
しかし、泣く子に対する親の接し方には二通りある。
「泣くな!」と怒鳴りつける親。
「どうしたの?よしよし」と慰める親。

なれど、子を思えばどちらも教育的に良くないと思う。

(中略)

子供が泣くにはそれ相応の理由があり、
その解決には、自分なりに納得しなくちゃ、解決に至らず、

次に進めぬわけだ。

 だから周りの者は、子供が泣き止むまで、じっとみまもってやらなきゃいかん。
 口出しは無用。さりとて絶対に見放したりはしない。

自分で言うのもなんだが、その距離感がうまく取れたと、自負しておるのだ。
 さらに思考を進めれば、そこには何より、忍耐と、愛と寛容が不可欠と感じている。

 

子の涙に接したとき、やはり心が揺れます。

でも、子の気持ちを自分に受け入れて、

一緒に悲しんで憤るのではなく、

【受け止める】のが子育ち。

受け止めて、事実を学校と共有しただけですが、

それがSunの気持ちを支えたのでしょう。

そして10日間という時間のなかで、

ゆるやかに気持ちが昇華させ、

男子に「謝って」といった時には、

相手を責めるような気持ちもなく、

【終わり】にするための

ひとつの儀式のようなサラリとしたものだったから、

「ごめん」と相手も素直に返せたのだと思います。


Sunは坂田氏の言うように

【自力で己の抱く不満に納得し、そして解決した】わけです。

この一連の出来事に、あぁ頼もしいな、と感じました。

5年生になったSun

5年生になって、近所に引っ越してきて下校班が同じになった女の子がいます。

昨日の下校時に、その彼女が

「この班大丈夫?
みんな並ばずにバラバラに歩いてるけど。

並んで班ごとに帰るってきまりじゃない?」

と言ったそうです。

彼女が前にいた下校班は学校から比較的近くで、

しかも女の子が多いグループだったので、

決まり通りに並んで帰ることが多かったそうです。

しかし、うちの班は、隣の校区と接するちょっと距離のある場所で、

しかも男子が多い班です。

学校の近くでは並んでいても、次第にバラけているのが常でした。

Sunは「この班は男子が多いからね~。

言っても聞かないし。

そもそもさ、なんで下校班で帰るかっていうと、

不審者対策で一人にならないためだよね。

列がばらけちゃっても、みんな誰かと一緒で一人の子はいないし。

ずーっと並んで帰るなんて軍隊じゃあるまいし。」

と返したそう。

でも彼女は「う~ん、怒った方がいいんじゃない」

と気になっている様子。

「じゃあ、〇〇ちゃん怒ったらいいんじゃない?」とSun

.

「え~言えないよ。先生に言った方がいいよ」

「先生に言うのは、最後の手段。おかしいと思ったら自分で言わなきゃ。
自分でやってみて、どうしても先生の助けが必要だったら言うんだよ。

私は、列がばらけても、広がり過ぎて歩道をふさいだり、

鬼ごっこして車道に飛び出したりするのでなければ、

別に下校は並ぶ必要はないと思うし。」

こんなやりとりをしたようです。

どんなことも、先生が言ったから、ではなく

自分の頭で考えて、判断して行動することを見守っていきたいです。

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