我が家の長女Sun(小5)は、小4の春休み
つまり小5になる時に、【ジョリーフォニックス】を使って本格的に
英語学習に取り組み始めました。
小3でローマ字を習い、
外国語活動では「♪ABCDEFG~♪」などと歌っていても、
英語は全く読めない。
「英語を読めるようになりたい」とSunから言われたことがきっかけでした。
ジョリーフォニックスで学習すると、
「そうか、ローマ字って結局日本語じゃん!」という
「え?今さらですか?」と
こちらの目が点になるような発見もありつつ、
英語の音から綴りをイメージできるような素地を獲得していきました。
すると、ストーリーを知っている絵本の英語版を読んで、
例えば「はらぺこあおむし」の英語版
「The Very Hungry Caterpillar」
「私、これ読めるわ!」と感動した面持ちで言っているのが印象的でした。
まだ未就学児の姉妹を持つ友人が、
「娘の仲良しのお友達の多くが、英語教材を購入していたり、
英会話教室に通っていると聞くと焦る」といっていたことを耳にしました。
きっとそういうご家庭も少なくないだろうな・・・と思い、
最近私が書籍から学んだことをシェアします。
Contents
「伸びる子どもは〇〇がすごい」より
まず1冊目は、たまたま書店で平積みされていて手に取ったこの1冊。
著者は、心理学博士の榎本博明氏です。
抜粋するのは第2章 早期教育に走る親たち~はたして効果はあるのか~からです。
せめて英会話くらいはと思うことの危険
電車に乗ると、英会話と脱毛の広告ばかりが目立つ。
大学入試で英会話力が重視されるようになることや、
小学校で英語が正規科目になることもあり、
その動きを先取りした英会話塾などによる宣伝文句に煽られ、
わが子に英会話を習わせようとする親たちの英語熱がますます高まっている。
ただし、そうした子どもビジネスあるいは英会話ビジネスの宣伝文句に
乗せられると痛い目に遭う可能性があるので、注意が必要だ。なぜかと言えば、英語教育の専門家の間では、
早く始めた方が英語ができるようになるというのは幻想に過ぎず、母語をきちんと習得からの方が、英語も効果的に習得できるとされているからである。
それゆえ、同時通訳者の第一人者である鵜飼玖美子など英語教育の専門家の多くは、小学校から英語を学ばせることに反対の姿勢を取ってきた。
認知心理学の観点からしても、母語の体系が習得できていることではじめて、
それをもとに外国語がうまく習得できると考えられる。
(中略)
ここで重要なのは、日常会話で用いるコミュニケーション言語と
勉強に必要な学習言語を区別することである。
コミュニケーション言語を習得することで日常会話はうまくこなせても、それだけでは学校での勉強など知的活動をスムーズに行うことはできない。
母語の学習、私たち日本人であれば日本語の学習をおろそかにして
英会話に時間や労力を費やし、
「うちの子は英語でアメリカ人と会話ができる」などと喜んでいると、
バイリンガルどころかセミリンガルになってしまい、後に学校の勉強についていけなくなる恐れがある。
セミリンガルとは、この場合で言えば、日本語力も英語力も両方とも中途半端で、思考の道具としての言語を失った状態を指す。
つまり、日本語も英語もペラペラになったとしても、
思考の道具としての学習言語を身につけていないため、
学校の授業についていけないばかりか、自分の内面の繊細な思いを表現できなかったり、
抽象的な議論が理解できなかったりする。これでは、専門的な本を読むこともできないし、就ける職業も限られてくる。
私たち日本人は日本語でものを考える。ゆえにまずは日本語能力を鍛えておかないと
「伸びる子どもは○○がすごい」榎本博明著 P63~66
ものを考えることのできない頭になってしまうのである。
公立小学校で学習指導補助の仕事をしていますが、
そのなかで出会った男の子(小6)がいました。
彼は、日本人のお父さんとフィリピン人のお母さんがおり、
お父さんとは日本語で、お母さんとはタガログ語で会話しているそうです。
この書籍を読んでいて、彼のことを思い出しました。
大変まじめで素直な性格の彼は日常会話は大変スムーズですが、
算数の文章問題
「あいりさんはいちごを2/3㎏とりました。
これは、だいきさんのとったいちごの4/5倍です。
だいきさんのとったいちごは何㎏でしょうか。」というような割合を問う問題。
「これ」とはなにを指しますか?
「もとにする量はなんでしょう?」というような問いかけに
「分からない・・・」となってしまうのです。
そして日常会話ではあまり使わない、
算数用語(「等号」「分母」「分子」「比」「値」…)が全くと言っていいほど
覚えられない状態です。
榎本氏のいうところの
「思考の道具としての学習言語をもたない」とはこういう意味なのかと、
学習指導補助講師としての私の力の限界を感じてしまいました。
「学力を呼び覚ます育て方」より
もう1冊ご紹介するのは、どんぐり教育研究会の吉田先生のブログで出会ったこちらの本です。
県立高校の英語の先生をされている黒田紫氏は、
フルタイムのシングルマザーながら、二人のお子さんは医学部へと進学されています。
その子育ての秘訣が書かれた本です。
抜粋するのは第4章 子どもの力を引き出すより
小学校の時、娘が「英語を習わせて」と私に言ったことがあります。
どうして?と聞いてみると「クラスのお友達がみんな習っているから」
「ハナコちゃん、大きくなって英語が話せるようになりたいって思うなら、今は学校の国語のお勉強をしっかりとやりなさい。
英語の先生のママがいうんだから間違いないわ!」
キョトンとしながらも「ママの言うことに間違いはない」と信じてくれている娘ですから、
そののち、「英語を習いに行きたい!」と口にすることはありませんでした。
中学校に入り英語の授業が始まると「待ってました!」とばかりに夢中になって勉強しました。熱心に積極的に勉強するのですから、ちょうどスポンジが水を吸い取るような感じ。
「学力を呼び覚ます育て方」黒田紫著 P143-144
次から次へと吸収し、あっという間に学年1位となりました。
繰り返しますが、高額な語学教材を使ったわけでもありません。
娘の教材は学校配布された教科書のみ。しっかりと丁寧に勉強すれば教科書に勝る優れた教材はない、ということがよくわかります。
英語教師の黒田氏も同じく幼少期には英会話ではなく、
確かな国語力をつけることを重要視しています。
私自身も抽象思考が確立し始める9歳の壁をしっかり超えるまでは、
英語教育をしてはならないことは、
これまでのSunとの学習経過によって感じてきました。
視覚空間型の思考の次女の語彙力向上にむけて
さて、ここまでお読みいただき、9歳の壁を迎えるまでに国語力をいかに伸ばしていくかが大事になってくることはお分かりいただけたかと思います。
次女のMoon(小2)は視覚空間型の思考傾向を持つとみられ、
Sunと比べると語彙の獲得もゆっくりめです。
そんな彼女の最近のブームはジブリアニメの「耳をすませば」です。
毎日のメディア時間(一人10分×3人分=30分)の持ち時間は、
タイマーをセットして、お気に入りの場面を繰り返し見ています。
好きが高じて、お小遣いでアニメ絵本を買うくらいの力の入り具合。
何度も同じ場面を繰り返し見ていると、色々なセリフが気になる様子。
「あからさま」ってどういう意味?
「とっさに」って?
「図々しい」って?
「ありきたり」って?
「万年球拾い」って?
と意味を聞いてきます。
私も彼女がわかる語彙で説明するのは結構難しく、小学生用の辞書を片手に答えます。
ちなみに、この質問をしてきたのがOcean(4歳年少)であったなら、
私の対応は異なり、「あからさまってどんな意味かなぁ」とマネで答えるでしょう。
それは、場面から想像するにこんな感じかな?あんな感じかな?
と考えを巡らせる経験が必要だからです。
就学前までは、「正しい」ことより、
「分からないなぁ」どういう意味だろう・・・
というモヤモヤ感を残しておくことが重要であることは、
東進ハイスクールの名物講師で「今でしょ!」でブレイクした林修氏も著書の中で語っています。
人間の頭を鍛えるためには、わからないことを抱え続けていくことが大事なんです。
「受験必要論」林修著P41より
(中略)
わかりにくいものを読ませ、自分で考えさせて放っておくというのは、ものすごく硬いするめを与えるような教育なんです。
全然飲み込めないするめがありますよね。でも、ずーっと噛んでいるとだんだんふやけてきて、最後には食べられる。そして食べるためにクチャクチャやることがアゴを鍛えたわけです。
ところが今は、口どけのいいなめらかなプリンのようなものばかり渡すんです。
楽に、ツルッと体内に入っていく。
しかしそれではアゴの筋肉は鍛えられない。
勉強も同じことです。だから、僕は「わからない時間が尊いんだよ」と言い続けてきたんです。
子育ち理論では、言葉で説明するのが可能な年齢を6歳。
小学校1年生からとしています。
Moonは8歳で、言葉を扱えるようになっているので、
子育ちでいう「マネで返す」段階ではなく、
知的好奇心を満たし、語彙力を獲得するために必要なので、辞書を片手に答えます。
場面とセットで言葉を覚え、語彙を獲得することに一役買っているようです。
「くり返し見る」つながりで、最近読んだ書籍から学んだこともシェアします。
「もう1回読んで」は大チャンス
子どもは自分の好きな絵本を読んでもらうと、必ずこう言います。
「もう1回読んで」
そして、もう1回読むと、またこう言います。
「もう1回読んで」
「小学校前の3年間にできること、してあげたいこと」祖川泰治著P69-70
実はこれがいいのです。
小さい頃の本読みは、多読よりも1冊の本を何回も繰り返して読む「くり返し読み」が大切です。
(中略)
きちんとした文語で書かれた物語が、1冊まるごとその子の頭に入る。
こんな素晴らしい教育があるでしょうか。
一生の財産です。
先ほど紹介した林修氏の例でも、それは証明されています。
修氏は3~4歳くらいの時に、おじいさんが「三匹の子ぶた」の紙芝居を買ってくれたそうです。
それをおじいさんやおばあさんに何度も読んでもらっているうちに、
すべて覚え、逆に自分でおじいさんおばあさんに読んで聞かせるようになった修少年。
そうして小さな「紙芝居屋」が誕生。
おじいさんとおばあさんは次々と新しい紙芝居を買ってくれ、
それを読んでは覚えを2年程くり返したそうです。
(「受験必要論」P93より)
修少年が紙芝居の後に取り組んだのは、「子供百科事典全8巻の丸暗記」だそうです(;゚Д゚)
この辺りのチョイスが凡人の私と比べると、え?と思ってしまいますが・・・。
ともかく、「子どものもう1回」は大事にしなければならないことが分かります。
読み聞かせをする大人にとっては
「またこれ・・・?」という言葉は飲み込まねばなりませんね。
さて、我が家のMoonですが、8歳の誕生日に祖父母からナニーさんシリーズ
5巻セットをプレゼントしてもらったのでした。
「耳をすませば」にハマり、小説を書く主人公雫のように
「私物語を書く!」と言い、
「ナニーさん」の本の好きな場面の写すのが遊びの流行りです。
様々な書籍を読んでも、特に大事なことは親子の丁寧な会話が大事であることが書かれています。
「車来る、避けて」みたいな場面も、
「向こうから黒いバンが走ってくるよ。塀にぴったり背中をつけて待っていよう」
みたいに状況を丁寧に言葉にするように心がけること。
「さあ、ご飯にするから準備して」という場面で
「ランチョンマット敷いて下さい」
「おはしを並べて下さい」
「ご飯を茶碗によそってください」と細かく指示すること。
これ、やってみるとわかりますが
場面を言葉にすることは、かなりエネルギーを必要とします。
子育ち理論を伝える遠藤英一さんは常々
「指示と労いを受ける子は、本当に幸せですよ」と言います。
さて、私と同じく毎日子と向き合い奮闘する世のお母さん方!
また今日も子との丁寧な会話、共に頑張っていきましょ♪
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